手紙/1





 父さん、母さん、手紙ありがとう。そちらの方は変わりないでしょうか?
 この間はあまりいられなくてごめんなさい。もう少しいたかったけど……こんなに早く呼び出されるとは思っていなかったんだ。

 今私は、太陽系内の基地にいます。またどこを見ても星だらけの毎日です。また”奴ら”が地球を目指しているらしいのです。払っても払ってもやってくる……まるでハエです。近いうちにまた行かなければならないと思います。

 姉さんの消息はこちらでもいまだ不明のままです。第一次攻撃部隊の人達も、誰ひとりとして帰ってきません。……そういう言い方は多少違っていますね。正確には先日一機帰ってきました。多分そちらでもニュースで流れたと思うけど。宇宙空間を漂っていたところを発見された機体です。
 第一次攻撃部隊の多くの機体は敵に破壊されたらしいのですが、その機体はどうやらエンジントラブルで動けなくなったらしく、たいした損傷はありませんでした。しかし中に居るパイロットは生きている筈がありません。この発見は、基地内での第一次攻撃部隊の隊員の消息について、よりいっそう絶望的な見解をするようにさせました。今、基本的に第一次攻撃部隊の面々の消息は皆”不明”のままです。破壊されてしまっていても、通信不能になっていたとしても。
 最近皆、第一次攻撃部隊の話をすることはあまりありません。壊滅という言葉の重さもあるのか、あえて話に出しません。第一、次に自分たちが行った時にも同じことになってしまうのかもしれませんから。
 でも第一次攻撃部隊の出撃の後、しばらく奴らの動きが止まった事は事実です。彼らはそれほどの人達です。私は彼らはまだどこかで生きているのではないかと思っています。……そして姉さんも。

 そちらはまだ寒い日が続くと思うけど、父さんも母さんも風邪などひかないで下さいね。私は大丈夫だから、そんなに心配しないで。短くてごめんなさい。また手紙送ります。それではさようなら。


 「通信部ですか? 防衛隊第二次攻撃部隊の山崎薫です。これを私の実家まで送信して下さい」
「了解。申し訳ありませんが内容チェックをさせていただきます。機密事項が漏れてはいけないので」

 メールチェックが終わったのか、通信部から連絡が入った。
「山崎少尉、第三次攻撃部隊出発の予定がたっています。あなたもメンバーに加えられていますが、その旨も同時に実家の方へ送っても良いでしょうか?」


今度こそ姉さんを見つけるんだから……







この時代の軍の通信制度なんて想像しようもないので、
かなり適当に本当に「手紙」にしてしまいました。
薫ちゃんはかなりお気に入りなので色々書き(描き)なぐってました。
ワープロから引っ張り出してきたあたりから古さがうかがえます。
なぜ「1」なのかは私にも分かりません。



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